2013/09/22

アップルは欲望のオブジェを創ってきた

アップルは創業以来、イノベーションとマーケッティングで業界をリードし、世界中のイノベータ、アーリーアダプタが欲しくなる商品を欲しくさせる仕組みとともに創ってきました。私もその企業姿勢を応援し踊ったひとりです。
しかし、37年の歴史の中では企業としての存続をも危ぶまれた時期がありました。イノベータ達からそっぽを向かれた時期です。デザインもフロッグデザインが新機軸を出した時期はパソコン以外のデザイン思考にも多くの影響を与えました。私もそのひとりでした。
そして、iPhone5sと5cの発売、日本では通信会社No.1のドコモが扱うようになりました。中国では米国日本と同時発売でした。マジョリティが騒ぎ出した時アップルは危ない。ジョブズがいたらどういう手に出るだろうか。
iPhone5sと5cを手に入れるために、台風の中並んだ購入者には新商品の機能や性能といった内容だけでなく、外観すら見えていないようです。だれかが「デザインが良くなった」と言ってましたが、それは裸の王様の発言です。通信会社は目先のことしか見えてなく、社長自ら踊っている。お祭りだから、、、とも言われています。
このような状況だからこそ、今がチャンスです。日本らしいものづくりから、世界で戦える商品とサービスを創っていくことができるように思います。

9月20日 朝日新聞夕刊

2013/09/12

杖のいる生活

杖を使いはじめて一週間、私の場合は、左膝を痛めたため右手に杖を持ちます。地面に着いた時に左足にかかる力の2から3割程度を右手で受け持つわけです。痛めた足への負担を軽減して、治癒を即すのが狙いです。
当然ですが、右手は疲れますし、手の甲は痛くなり、真っ赤になります。そして、今度はその痛みが脇の下にきます。
これらの問題は、杖のグリップの形状をリデザインすることで、随分と解決するのではないかと思われます。肘もサポートするタイプのものもありますが、個人差への対応はできていません。握る行為の道具は沢山ありますが、杖ほど長時間大きな負荷がかかるものは少ないように思います。

2013/09/11

トイレのマークと東京オリンピック

私たちが日常、駅や公園で見慣れているトイレのマーク、これがはじめて使用されたのが1964(昭和39)年の東京オリンピックです。
 

 

1964(昭和39)年10月6日『毎日新聞』朝刊


1964(昭和39)年10月10日(土)午後2時58分
「第18回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します」、天皇陛下のお言葉で開会式が宣せられ、94か国から7,000名あまりの選手が参加し、開会式の入場者は73,000名に達したそうです。外国人が大挙して東京にやってきたのです。

新聞では、外人に対するマナーなども記事として取り上げられました。そんな中で、1964(昭和39)年10月6日(火)の毎日新聞朝刊では、「無言のガイド 絵ことば」「トイレに一番苦労 競技場別に色分けも」と題した記事で、競技場内の案内マークが紹介されています。

すでに、哲学者オットー・ノイラートとイラストレーターのゲルト・アルンツによってデザインされたIsotypeと言われる非言語による意味表現としてピクトグラムはありましたが、トイレのマークとして普及するきっかけになったのは、間違いなく東京オリンピックです。

私が初めて出張でドイツに行って、レストランのトイレを探していたとき、ドアに「Damen」「Herren」と書かれていて、まったくドイツ語の分からない私は、間違って「Damen」のドアを開けてしまった恥ずかしい記憶があります。今では、ドイツでも空港やホテル、公共施設、大きなレストランではトイレのマークが使われているのではないでしょうか。