2014/11/23

私的神話その5・Pプロジェクト成功の秘訣

打倒ソニー・プロフィールのデザインプロジェクトは、唐突に始まったのですが、後に私自身がマネジメントをする立場になって考えると、当時の所長以下プロジェクトスタートを受け入れた各室長にとっては、大きな決断であったと思います。

プロフィールが発売されたことで、経営幹部からの突き上げも半端ではなかったと思われます。現業から5名もデザイナーを抜いてプロジェクトをスタートさせることは、企画、技術、工場、営業から見れば、「デザインはいい気なもんだ・・・」ぐらいに受け取られかねません。

しかし、現場レベルで、周辺部署がそんな感じに受け止めなかったのは、プロジェクトチームリーダーの人間性であったと思います。仕事は人間がするものですから、進めるためには理屈以上に人間関係が重要であると教えられました。

そういう意味では、リーダー以下全員がテレビのデザインを日常業務としており、パーソナリティとして関連部署との関係が良い人間ばかりだったのかもしれません。

デザインは、アイデアを生んだら、それを実現するプロセスを進める必要があります。そのためには、技術の協力は不可欠です。と言うか、技術にその気になってもらわない限り製品化できないのです。

このプロジェクトから「アルファ・チューブ」が生まれたのは、技術の力があったからです。あの造形を製品にするには、製品の機構設計、金型設計、そして工場のラインもそれまでのやり方を変えなければならなかったからです。

私たちは、スタートから技術メンバーを巻き込んでプロジェクトをスタートさせました。そして、彼らの共感を得るために活動していったのです。


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